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〜WASP〜 Waseda Satellite Project | WASEDA-SAT2 概要 | プロジェクト概要 | メンバー紹介 | 最新情報 | お問い合わせ | リンク | QRコード募集 | |||||||
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6 データ処理系 6.1 データ処理系の目的 データ処理系では,衛星状態を健全に保つための各種データの管理と,それをもとにした衛星状態の制御,地上局とのデータ交換のためのデータ処理を行う.具体的には, ・安全な電力運用を行うため,バッテリー温度を温度センサにより常時監視 ・磁気センサを用いて衛星の姿勢データを検出 ・ミッションとして地上局から受け取ったデータからマトリクス型のLED 表示器にQR コードを出力,撮影し,保存した画像データを地上局に送信 といった,衛星の動作全般を司る役割を担っているのである. 6.2 衛星に搭載する機器について 電源系や通信系を含めた,衛星に搭載する機器の回路構成は表6.1のようになっている.また,これら各構成要素の関係を図6.1に表す. |
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表6.1 衛星搭載回路の構成 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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図6.1 データ処理系システムブロック図 |
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衛星のCPU は,放射線環境に強く,シングルイベントによるエラー耐性があることが求められる.そこで,本衛星オンボードコンピュータ(以下OBC)として,サイズと性能,及び入出力端子数を考慮し,ルネサステクノロジ社製のマイコンH8/3052F を採用した.H8/3052F の外観は図6.2 に示す. |
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図6.2 H8/3052Fの概観 |
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6.3 各構成要素について <温度センサ回路> 温度センサは二次電池の温度状況を知るために用いる.温度信号をH8 マイコンが取り込んで出力電圧から温度を計算する. |
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図6.3 温度センサ外観 |
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<磁気センサ回路> 磁気センサにより3軸方向の磁気変化を測定するために用いる.そして,地球周回上の磁気マップと合わせて現在の衛星の姿勢状況を求める. <小型カメラ回路> QR コードを撮影するカメラである.JPEG カメラモジュールなので,モジュール内部で撮影した画像を自動でJPEG 圧縮することが可能である.また,マイコンの電源電圧が5V であるのに対し,カメラの電源電圧は3.3V であるため,信号を送受信する際には5−3.3V 変換を行う回路を作成する. |
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図6.4 小型カメラ外観 |
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<フラッシュメモリ回路> 宇宙空間で衛星が取得する画像データやセンサデータ等を一時保存する外部メモリである.小型カメラと同様に3.3V 動作品であるため,信号線の間に電圧変換インタフェース回路を設ける必要がある. <LED マトリクス駆動回路> QR コードを表示するための16 x 16 LED マトリクスの駆動回路である.回路にLEDの点灯制御用のIC として,シフトレジスタやラッチ,定電流ドライバを設けることで,通常はLED マトリクスの行数+列数分の制御用端子が要るところを,数本のデータ出力で点灯を制御できるようになる. <充電制御IC のコントローラ> 充電制御ICのもつイネーブル端子(EN1,EN2)にOBC から信号を出力することで,充電電流量の制御を行うことができる.また,POK,CHG 端子からはそれぞれ,太陽電池から適正電源が入力されているか,充電中であるかの状態を判断することができる.そして,バッテリの温度が0〜40℃に収まっているうちは通常の充電を行い,バッテリの温度が0〜40℃外になった場合は充電を停止するような構成になっている. <電気的スイッチ> 衛星は,省電力のために小型カメラやLED 表示器は普段は電源をオフにする必要がある.各負荷に対して,電源電圧をON/OFF するスイッチ回路をトランジスタやMOS-FET を用いて製作する.トランジスタのベースに微小電流を流すことにより負荷回路の電流Ic が流れるような仕組みになっている. <アクセスポート> アクセスポートには衛星電源系統のバッテリーの温度・電圧・電流データと,充電回路から負荷側への電圧・電流のデータを出力端子からモニタリングできるようにする.外部のモニタリング機器のケーブルとアクセスポートの各端子の接続は,コネクタを介して行う.また,モニタリング用にマイクロコンピュータを用いた外部ドライバを作成し,ドライバの取得したデータをPC に送信することで,PC 側のアプリケーションでデータの記録や可視化を行う. |
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<外部クロック> 衛星が軌道上に投入されると同時にシステムの電源がON になった後通信等の衛星運用のスケジュールを管理するためOBC とは別に外部クロックを設ける. |
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