早稲田大学 宮下研究室

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【概念設計段階におけるIoT】関連論文

市場の推移や成長と設計要求とが連動し,さらに設計指標を導出することは設計上流部において重要です.包絡分析法(Data Envelopment Analysis)を活用した設計支援法を検討し,複数の製品のハイブリッド化や共通コンポーネントなどの発生の必要性を分析する手法を検討しています.図は 発明数の推移とイノベーションの形成の分背kに対してウェーブレット解析を活用した分析法を提案したものであり、また、右下図は1980年からの乗用車を対象とし,DEAによる評価値を縦軸に販売価格を横軸にとり,1989年までの車両の分析結果を基準として,それ以降の車両について年度別に整理し表示しています.2005年から現在までの市場動向は現在では明らかになっており,整合性などの検討が可能です.また,市場にあるビックデータを活用し以下の項目について実施中です.

@製品機能の分化・統合と製品系列の構成法

A製品開発活動と連動した製品評価の構造化とイノベーション支援

B機械学習を用いた推定

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【複合領域の最適化・満足化】関連論文

機械力学・構造力学・熱力学・電磁気・制御・振動・電気・品質管理などの異分野が複合し適用され機械構造物が成立します.このような状況では各技術分野の協調が必要となる一方で,どのような形態・度合いで協調するのが合理的かは明らかになっていません.このような複合領域の設計問題に合理的に設計解を与える検討を行っています.人工衛星を題材(右図上は衛星モデル,下は振動の様子)とした研究では,各分野の解析技術および数理計画法を活用し,以下の観点より設計問題を取り扱っています.

【冷却器構造の形状最適化・位相最適化】関連論文

高温となる部位の冷却を迅速に達成し製品の温度状態を適切に制御することは非常に重要である。パワー半導体からの発熱の冷却や鋳造工程における湯の冷却など各種の界面の特性を考慮して熱流路の適切な設計を実施することは容易ではない。本研究では、最適化手法及び現象解析ソフトウエアを組み合わせ、設計者の知識を越える設計案の体系的な導出を試みるものである。図は電気自動車向けの冷却器を想定し500[W/h]程度の熱源に対し想定するポンプ性能の範囲、内部構造寸法制限を考慮し、水流の影響を解析し、冷却機の内部構造を9種類程度の形状最適化したものである。3次元プリンタにより試作し精度良く実験で評価している。

 

【荷重伝達特性を考慮した形状・位相設計】関連論文

物体に作用する荷重は、物体を通して伝達されています。構造物の形状を決定することは、この伝達経路を決定することに相当します。軽量化設計、高剛性化設計など各種の設計指針が提唱され使用されていますが、これらの特性を実現するためには、荷重の伝達特性を合理的に設計することが本質的には必要です。

 

【反応ネットワークの同定】関連論文

多くの化学物質の生成が多くの化学反応により実現されている。合金などの多くの組成を有する金属の共晶反応や生体内における物質反応など多岐にわたる。最適化手法を用い、このネットワークを推定することにより、反応の状況やその推移を的確に把握することができる。近年では医療分野における分析法の確立が重要である。図は、分析対象とするたんぱく質とシミュレーションの対象とする物理量を細胞壁空間において生じる解明目的とする現象を示したものである。

【変形特性を備えた構造物の設計技法】関連論文

機械に要求される機能が多様化し、それを充足するために機械が変形することが必要となることもある。機械が変形する状況においては、考慮すべき設計条件が幾何学的や動的に変化し、それらを考慮する必要がある。右図はホイールベース可変車両の設計において、いくつかの形状の構造評価を実施し、変形過程において破損を防ぐための設計支援を実施したものである。

【使用者の特性を考慮した機械設計】関連論文

脳活動を指標とした操作・作業評価による機械構造物の設計技法の開発に取り組んでいる。視覚、聴覚、触覚(力覚)、味覚、嗅覚などより情報を得て、長時間・精確な作業を実現するために必要な構造寸法の定義を最適化手法を用いて決定している。また、アンケートを使用する感性評価に代わる手段として脳波・脳活動を指標とした評価方法を開発している。

【インタフェイス(手動測定)設計】関連論文

キーボードはコンピュータへ情報入力するための効率的な装置である。多くの指の動作により情報入力が実現される。脳梗塞の後遺症として生じる片麻痺症状を伴う場合には情報入力が容易ではなくなるが、手のわずかな動作による情報入力やリハビリテーションへの支援が可能となると考えられる。本研究では、立体型キーボードを作成し評価していく。

【インタフェイス(動作指示)設計】関連論文

人体動作を計測し、計測数値を機械の遠隔動作の指示値として使用するためのインタフェイスを研究している。上腕が有する関節自由度に応じた上腕拘束型のデバイス(右図)であり、操作対象とする遠隔機械との没入感・一体感を操作者の直感と連動し実現するものである。インフラ点検ドローンの精密制御、管路点検機構の操作指示、カテーテル操作指示へ適用している。

 

 

【運転操作支援】関連論文

高齢者社会において、高齢者自らが自動車を運転することも多くあると考えられる。運転操作において、意識と動作の乖離による不意な誤操作を生じることも考えられ、正確な操作とするための支援が必要である。表面筋電位、脳波、動画分析(ディープラーニング)による生体情報の分析と、分析結果に基づき、筋電位刺激による動作促進するシステムを構築している。

 

特殊環境における機械開発

【宇宙環境】関連論文

螺旋折り膜面の展開構造の実証と新たな熱制御素子の評価を目的として,機能評価モデルを製作し評価しています.2号機の知見を基にして,可動機構の簡素化や電子素子配置の最適化などの設計結果を反映しています.2016年度に打ち上げ(ISSに移送後に放出)を予定しています.右図左は軌道上の様子を描画し,右図は展開膜を示しています.下図は収納および展開の有限要素法解析の結果を示しています.膜厚を考慮した螺旋折り技術の曲面への適用および宇宙空間での初実証やLCDパネルによる温度制御の宇宙空間における初実証などをミッションとしました。

機体組立図 変更後 13-07-10 膜折り畳み初期

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【深海・海洋環境】関連論文

深海における機械は高圧に耐えることが必要となり,通信手段の確保が難しく,電源確保も難しい状況です.そのため,未解明な部分も多く,本研究では,深度40006000mを目標に,長期間の稼働や定期的なデータ通信の実現を課題として取り組んでいます.右図は機能評価用の機体です.

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【狭小空間・伸展構造】関連論文

ワイヤのような細長い材料は,低剛性ながら,細長い空間に配置が可能であり,収納・展開・再収納などの一連の作業を精度よく計画できることが望まれます.このような変形形状の予測を可能とすることにより,例えば,宇宙空間における細長い構造物としての導電性テザーの実現や医療機器としての細長い空間へ到達するカテーテルなどの運用計画の策定支援に有用です.また,基板間のワイヤハーネスや血管内に留置されるステントのように動きを有する構造物内に配置され,接触力などの影響を受け,環境に適合する必要があります.このため,力学的な特性を精確に予測することが,上記の計画の策定に必要です.ワイヤの利用について以下の観点より検討を行っています.

@管路内へ伸展するワイヤの挙動予測(管路内探傷技術の支援)

A撚り線構造の伸展・疲労解析・実験(配線設計支援)

 

 

【狭小空間・展開構造】関連論文

折り紙に関する技術は日本において高度に発達した分野の一つである。折り紙工学としての学術分野を形成している。機械工学の側面からは、収納・展開などの寸法変化について、しわや付設部品の存在を前提とした折り目の設計重要である。本研究室では、曲面形状の膜面について、円筒形状に膜厚を考慮し”しわ”や付設物を含めて収納する折り目の算出方法を考案している。螺旋折・蛇腹折を複合させた折り目の定式化へと発展しており、宇宙構造物、体内付設絆創膏、エアバックなどの構造の収納技法として検証を進めている。

 

【衛星・天体観測のための精密制御機構】関連論文

遠隔地での機械とは無線通信により命令やデータを伝送する必要がある。一方で、光学観測による通信方法やレーザー照射によるエネルギ伝送などの極めて高精度で指向性の高く観測装置の姿勢を制御することが必要となる。

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振動・衝撃・安全性

【車両衝撃構造】関連論文

機械と人間が一体となる状況において安全性に関する視点は重要です。本研究では特に車両構造(乗用車・鉄道車両)に関する衝突時における乗員の安全性に関して研究しています.近年では工学解析(CAE)を実施できる環境が整っており、計算技術の研究開発の側面と利用技術の側面とが一体となり発展しています。弾塑性変形解析を主体とした大変形挙動を乗員保護の観点から設計していく必要があります。

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【移動体制御】関連論文

操作者の意図に応じて、物体を移動させる状況は多く存在する。制御規則を複雑に備えることよりも、機械的な機構により、物体の移動を実現できることは、システム全体の信頼性・安全性の観点より重要である。本研究では、ロータリーエンコーダーおよびテグスを利用した操作者の移動に伴い、適宜に位相差を有する移動機構を構築し評価している。工場内の重量物の移動や介助動作などで、積載荷重を適切に設計することを目標としている。

説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: 説明: C:\Users\miya\Desktop\transporter\transporter.avi.GIF図2

【振動・音響設計】

構造物の動的特性を的確に把握し事故・破壊・破損・騒音を低減することや使用者の感性を考慮して、構造物を設計することは非常に重要である。各種の時間領域・周波数領域の解析技法を適用し、各種の振動試験法により整合性を確認し、設計改善のための効率的な環境の構築支援をしています。

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【臓器変形】関連論文

低侵襲性を考慮し,狭い領域での作業を実施する機械装置・ロボットの開発において,その対象となる臓器および機械装置・ロボットに生じる力学現象のシミュレーションによる定量化および機械装置・ロボット開発や動作計画の立案支援を行っています.図は肺(ブタ肺よりモデル作成)に対する虚脱現象における変形状態を示している.個体差を考慮した実験との整合性を確認し,20mm程度の誤差での変形予測を目的とし,内視鏡の挿入位置の検討を支援していきます.

 図1

【熱変質】関連論文

焼灼術は悪性腫瘍の活動を停止させるために非常に有用な術式である。しかしながら、適切な焼灼領域を形成するために、組織に存在する流体の影響を加味した熱伝導解析が必要である。解析結果と実際の焼灼実験の比較を実施するため図に示すような実験により焼灼領域の形成状況を確認している。

【人体ダミーの開発】関連論文

研究室環境では,大型の試験を頻繁に実施することは困難であり,相似則を用いた縮小モデルでの実験を実施する必要があります.縮小モデルでは,実物大での実験で観測できる物理量との相違が生じ,その取捨選択を合理的に実施する必要があります.このため,本研究では最適化手法を用いて,縮小モデルの寸法を決定し,Rapidプロトタイプにより試作し,実験により,所望する特性が得られるかどうか検討を進めています.

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【エアバックの設計】関連論文

収納性良く、任意の形状に、展開力が低く容易に展開し、展開時間が持続することが、エアバックには求められる。危険察知し実際に衝撃が発生するまでに衝撃を低減可能な形状として展開することが必要である。本研究では、研究室で考案した膜厚の存在を考慮する折り目の算出技術を応用し、座布団折り、蛇腹折り、花弁折り、螺旋折りなど各種のエアバック構造を考案・評価している。